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ブート商品

2005年1月13日




このサイトに来る人で、音楽がやたら好きな人ってどの程度いるのか知りませんが、
オレはもうジャンキーのように聴いています。
テレビがついているのに、わざわざそれを「消音」にしておいて
CDを聴いているほどです。
・・・って、これじゃまるっきり馬鹿みたいですが、
最近の番組って字幕が多いからそれでもわりと見られるんですよね。

それから、ゲーム機で遊ぶことも最近では本当に減りましたが、
レースゲームなんかをプレイする時には
やっぱり「消音」にして好きなCDをかけています。
家では、寝ている時以外はだいたいオレか妹が
CDやライブDVDをかけているので、我が家はいつでも騒々しいです。
こまった兄妹ですが、母親も同じような人間なので文句は言われません。
厳格な家柄じゃなくてよかったと思います(笑)

オレにしても妹にしても、流行の音楽はそんなに聴きません。
女子高生が住んでいる家だというのに
ヒッキーやSMAPがCDラックに一枚たりともないのです。
こういう風に時代を彩る曲を購入しないということは
どういうことに繋がるのかといいますと・・・
要するに聴くアーティストを自分で絞り込まなければならなくなります。

メディアがプッシュする作品を追うというスタンスは、
選び方が歌手に依存するのではなくて、人気に依存します。
だから人気のある歌手を選ぶだけなので、時間とともに新しい作品が見つかります。
回転すしに似ていて、流れてくるものの中から好きなものを取るのです。
音楽通には「こだわりがない」なんて言われてしまうかもしれない選びかたなのですが、
人によっては音楽そのものよりも「流行していること」に意味があるのだろう
とオレは思います。
ところが我が家のように、自分が好きな歌手に固執すると状況は変わります。
リリースするペースはまちまちな上に、解散したりする歌手も出てきます。

歌手個人に固執するようになると、その歌手の作品を全て聴きたくなります。
これがクリアされると、コレクション期に突入します。
バージョン違いとかを集めだすのです。
今でこそ、そんな無駄遣いはしなくなりましたが、
過去にオレはミスチルを信奉していたので、似たようなことをしでかしていました。
勿体ないとしか言いようがありません。
でも中には全種類のジャケットを集めるとか、初回版と通常版を両方買うとか、
そういうことする人もいます。
こういうコレクション期があるかどうかは個人に依りますが、
この後の段階というのが今回のテーマでもあるブート段階です。

みなさんはブートという言葉をご存知でしょうか?
正しくはブートレッグ(Bootleg)。
日本語にすると「海賊版」ないしは「海賊盤」なのですが、
これだとちょっとニュアンスが違います。
違法にコピーした作品という色合いが強い海賊版ですが、
オレが言うブートは「公式では発売されていない音源」のことを指します。

例えばミスチルを例にして解説しますと、
アルバム「Atomic Heart」以降はライブビデオなんかが公式発売されていますが、
それ以前の時期のライブ音源は出ていません。
でも実際にはライブハウスで誰かが、こっそり録音していたりします。
場合によってはこっそりでもなんでもなく、
撮影を許可されたプロのカメラマンによる映像付きで、
ちゃんとした録音機材で収録していたりします。
でも発売されなかったりするのです。

別にそういう無許可の作品を推奨しているわけではないですし、
買ったほうがいいとも言いませんが、
その歌手において歴史的に重要なライブとかって、
案外公式音源で発売されないことが多いですよね。

日本の歌手のブートは結構値が張る場合もあります。
ミスチルのインディーズ時代のアルバムが数万円だったこともあります。
オレはミスチルのブートとかは一個も持っていないのでレビューはできませんが、
そこまでして手に入れる価値があるのかは疑問です。
いい曲だったらそのままの状態でメジャーデビューしてからリリースするだろうし。
でも人によっては、お金をたくさん積んででも欲しいものなんだろうなあ
というのも、想像に難くありませんよね。

その一方で海外の歌手のブートは安いです。
ほとんど公式版と同じ価格設定です。
それどころか、ライブビデオなのに何百円とかだったりすることもあります。
そういう観点からすると非常に魅力的なのですが、
ブートは洋邦にかかわらず、画質や音質にアタリハズレがあります。
観客席からホームビデオで撮影した本当に貧弱な作品から、
ほぼ公式音源と遜色のないプロ仕様のものまで様々です。
そこらへんの博打を承知で購入できる人にしか向かないですね。

そうそう、日本は海賊版や無許可の音源に厳しいですが、
海外のサイトに行くと、そうでもないことが分かります。
なんと驚いたことに、歌手の公式HPのメッセージボードで
「何月何日のライブ音源です」とか言いながら、
ファンの手によってファイルがアップされているのです。
普通ならすぐに削除されたり、場合によっては検挙されたりしそうですが、
そういうことも起きているように見えません。
ですがそこには、感動的なメッセージが同じ人物によって書き込まれていたのです。

Share the rare, but buy an album.
レアな物は共有しよう、でもアルバムは買おう。

要するに、そこに訪れる人物は皆お金を出し惜しみしているのではなくて、
その歌手が大好きだからこそ、会社が発売してくれない音源を分け合っているのです。
彼らの思想の根底には、歌手に対する愛情があります。
彼らはリリースされた作品を喜んで買ってくれる人物なのです。
それゆえ、歌手のほうもブートを取り締まったりしないで放置しているというわけです。
お互いがお互いを、いい形で思いあっていますよね。