2004年10月5日
本もいい方法ですが、
「一晩くらいコンポの電源をつけたままにしても構わないよ」というリッチな感性の持ち主には
(一説にはこれをルーズな性格とも言いますが・・・)
音楽もまたいい方法です。
好みの曲を聴くのも悪くないと思いますが、出来るならテンポの遅い曲がいいと思います。
間違っても「世界最速のギタリストによるなんたら」みたいな音楽はチョイスしないで下さい。
好みの曲でしたが全然寝付かれなかった経験があります。
そもそも好みの曲というか歌謡曲は、時代を反映している為、
いらぬ回想をさせてしまい、睡眠の邪魔になるケースも多いと思います。
「この歌が流行った時は高校生だったな」くらいなら差し支えもありませんが、
選曲によっては思い出したくない過去とかを無理やり呼び覚ます可能性があります。
テンポのことも考えて、ここはクラシックにしておきましょう。
これなら「この曲が流行った時はヨーロッパ各地でペストが蔓延して
“memento mori”が流行語大賞になったよな」とか、
そういう苦い思い出が頭をよぎることもありません。
むしろよぎった方は大発見なので、この際ほかのことも思い出す努力をして
歴史の解明に貢献して下さい。
まあとにかく「別れた恋人がクラシック好きだったな・・・」とか
思い出してへこみそうな人以外はオススメできます。
クラシックの中でもなるべく簡単な曲で、編曲も派手でないものがオススメです。
ホルンやチェロでダラダラ弾いているものを選ぶとビックリするほど寝られます。
作曲者が親切に第三楽章まで用意してくれているのに、
第一楽章しか聴かないで常にダウンしてしまうことになる名盤もあります。
ただ何度も聴くといい曲に思えてくることが人間にはあります。
メロディーを憶えてきて曲に馴染みがわいてきたら、そろそろ鞍替えする時期かもしれません。
まあ、上記のような名盤でしたら、第二楽章から聴き始めるだけで問題は解決しますが。
クラシックを強く勧めているオレですが、クラシックが万能だとは思っていません。
実際、ロシアの作曲家ラフマニノフの作品を聴いていたら
「これが世界最高難度の曲と言われる、ピアノ協奏曲第三番かぁ!!」
と興奮してしまい、眠れたのは40分経って曲がラフマニノフからショパンにかわった後でした。
クラシック、とりわけインストのみの曲は歌好きな人にはお勧めできると思います。
頻繁に歌を歌っている人間は、自分では意識しなくても
声帯やノドの筋肉が歌に連動して動いてしまうそうです。
カラオケ好きな人、思い当たるフシがありませんか?
声が出ていなくても、身体は歌唱運動をしているわけですから、
曲によってはかえって目が冴えてくるかもしれません。
でも気付かぬところで歌を歌った状態になっているなんて、
まるで深夜にやっているテレビショッピングの筋肉増強ベルトのようですね。
「ただこのCDを一枚聴くだけで、ジョギング○○分と同様の運動量!!」
みたいなものですから。
それから、出来るだけ曲の背景が不透明だと、眠りへの道は近くなります。
例えばオレの場合、ペルーの名曲「コンドルは飛んでいく」を聴いていると心地よいのですが、
眠気よりもペルーにあるインカ帝国の遺跡、とりわけ空中都市マチュピチュ
(発音上はムニャムニャみたいに眠そうですけどね)への興味が勝ってしまい、
気が付いたら頭の中はアンデス一色。
うっかりすると地球の裏側に住んでいるペルーの人が寝る時間になって
ようやく寝付けるという事態に陥ります。
こう考えてみると土地に興味が全く湧かなくて、テンポも遅くて、
昔を思い出させない曲が優秀なわけですから、
オレにぴったりなのは愛知県の民謡とかかもしれませんね。
テンポは遅いに決まっていますし、
自分が寝ているベッドも愛知県だから想いを馳せる必要もないうえ、
民謡が流行した当時には生まれていないときています。
これは期待できそうです。
ただ歌っているのはどうせ農作業を終えたばかりのどこかのお婆さんばかりでしょうから、
歌謡曲を聴いて寝る時のような「大好きな歌手が夢に出てこないかなぁ」
などという甘い幻想に浸ることは到底できないでしょう。
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