2004年9月22日
こんな題名にすると、
ロマンチックな話やハートフルな話について書くのだろうと思う方もいると思いますが、
オレはそんな話をめったに読んだりはしません。
寝つきが基本的に悪いので、寝る前に少し
本やマンガを読むのがオレの癖です。
本来の読書家のように、本やマンガが大好きなわけじゃない
オレの本の選び方は様々です。
眠らなければならない時に何を読んだらいいのかと言いますと、これはオススメがあります。
風邪薬には睡眠誘発剤が入っていて眠くなりますが、
人によってはこれからオススメする書籍の方が、
睡眠に落とし込んでくれるスピードが早いかもしれません。
何かと言いますと中学校の国語の教科書です。
ビックリするほど寝られます。
これには理由があります。
ある程度のストーリー性がある話でつまらない話の宝庫だからです。
新渡戸稲造(オレが歴史上で2番目に尊敬する人)の武士道を読んだ時は
「つまらない」という気持ちが先行してしまい
「これは寝る前に読む本じゃなくて、しっかりと本腰を据えて読む本だ」
と思い知らされました。
この手のタイプは眠くなる可能性もそこそこありますが、
どうせなら他の本を読みたいと思ってしまい、
他の本を求めベッドから出たくなるので危険です。
ベッドから出たら最後、新渡戸が築き上げた眠気も歩行運動によってぶち壊しになります。
ストーリー性がないとその本に固執する動機付けがなくなりますから、
ストーリーがあったほうがベターだと思います。
そうはいってもストーリーが面白い本はダメです。
言うまでもなく寝るのも忘れて読みふけってしまいます。
これでは本末転倒です。
推理小説なんか作品によっては謎が解き明かされるまで読み続けてしまいます。
謎と同時に夜も明けていた等という事態に陥っては意味がありません。
なるだけ微妙なストーリーをチョイスすべきです。
さくらももこのエッセイとかを読んで大笑いしても、眠りは遠ざかります。
笑いのツボがズレていたら問題ありませんが、
うっかり「面白い話」という地雷を踏んでしまうと
血流がさかんになり、腹筋が痛くなるほど笑い転げることになります。
もうこうなると笑い疲れて眠くなるまで延々と読み続けてしまいます。
ただ、幼児ならともかく、成人した人間が笑い疲れて眠るという事になるのかというと、
そこは疑問が残ります。
眠りたいなら、大人しくつまらない話を選択するように心がけるべきです。
もちろんそうやって心がけて選んでも、いい結果がくるとは限りません。
ちなみに新渡戸稲造の次に尊敬する人、夏目漱石の作品は意外と面白いこともあります。
こういう絶対に眠らせてくれそうな人間が、
期待を裏切って会心の一撃を放つのはある意味で幸せなことです。
予定は狂いますが、予想外の出逢いがあったのだから許してあげましょう。
ともかくこのように条件を列挙すると、行き着くところは国語の教科書になります。
一話あたりの長さも適当ですし、ドラマティックな展開もありません。
「推理やホラーを読んでいたら、なんだか恐くなってきたから、かえって寝られない」
という状況もありません。
山も谷もほとんどなく、展開の平たんさは登山というよりもハイキング、むしろ散歩、
話によってはリハビリ用施設です。
これだけ条件が揃うと睡眠効果は絶大です。
そういえば授業って昼間にあったくせに眠くなりますもんね。
人間がもっとも活動的な時刻にあってヒトという生物を眠らせる実力をもった本、
これを一日が終わって疲れた夜中に柔らかいベッドの上で使用するのです。
間違いなく効果がでます。
自分を使った臨床実験でも
「明日の現国テストの勉強はベッドでやればいいや」と思い、
この物体をベッドに持ち込んでしまったがために、
翌日の試験で未解決のまま迷宮入りになった問題が続出するなど、
驚きの睡眠効果が実証されています。
それにしても、これほど面白くない書籍を教育に使うのはどうなのかと思いますが・・・。
本来ならば展開にも物語にも魅力が薄いのは駄作です。
α波が出やすく脳にやさしいことが教科書に掲載する基準なのでしょうか?
もう義務的に読まされることもないので構いませんけど、
オレ個人としては、生徒用の教科書にも見どころとか掲載した理由とかを
巻末に入れておいてくれることを望みます。
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