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The Ripper
2分ちょっとの短い曲ですが、その割には展開が不思議(ドラマチックというには変すぎる)で
内容が濃いから短く感じない一品。
さすがに70年代の歌だから、音の数も少ないし、
ぱっと聴いた感じは物足りないかもしれないけど、
間違いなくハマる人はどっぷりいきます。
個人的には、ボーカルであるロブ・ハルフォードの変な歌いまわしと、
スタートしてすぐにあるシャウトが最高。
リクエストはしましたが、やっぱりカラオケに入りそうもない曲。
なんせ邦題は「切り裂きジャック」。
Dreamer, Deciever 〜 Deciever
2トラックにわたる曲で、全体で10分くらいある。
前半のDreamer, Decieverの方は、ロブのしっとりとした低音から始まり、
徐々に中高音が響く。
その後はギターソロがあり、怒涛の超絶ハイトーンにが聴ける超名曲。
その切なさ、暗さから激しさが加わる部分に移行し、
最後の2〜3秒で一瞬にして木漏れ日が差し込んでくるような明るさが
ハッキリと感じられる曲の展開と、完成度は圧巻の一言。
ジャーマンメタルの雄、ハロウィンのヴァイキーや、ガンマレイのカイ・ハンセンなど、
それほど有名でもないのに、この曲が好きだというプロは多い。
後半のDeciever部分は、一転してミドルテンポのロック。
上下に自由自在な動きを見せるボーカルラインをしっかりと、
かつ個性的に歌うロブ・ハルフォードには脱帽。
Diamond and Rust
これは女性の歌手が歌ってたのをカバーしたらしいんですけど、
原曲までは聞いたことないですね。残念。
ずーっとフェイク気味なのが味でもあるし、また不満点でもあるんですけど、
良い曲だと思いますよ。
「Tribute to the Priest」っていう
他のバンドが鋼鉄神をカバーしたアルバムにも入ってますけど、
こちらもメロディアスでなかなかの出来だったと思う。
もとが彼らの歌じゃないだけに、シャウトとかは期待できないけれども、
そればかりが特技でないことがわかる名作です。
Beyond the Realms of Death
屈指のメタルバラードといえばこのナンバーでしょう。
寂しげで美しいアルペジオが印象的なイントロから始まり、
気だるいロブの歌唱がサビでは絶唱に変化する躍動感は最高です。
とくにこのチューンのなかで評判がいいのは中間部のギターソロ。
この手の曲の中では最高ともいわれているソロなんです。
メタルというと疾走曲が一般的ですがバンドが軽いイメージを持っていない分、
こういうバラードを歌ったときも説得力があると思います。
この歌の題材は恋愛ではないことが「バラード=恋愛の歌=売れる曲として作られた」という
ありがちな図式で制作されていないことを物語っていると思うのです。
Breaking the Law
安直なフレーズ、安直なコード進行、安直なサビ、そして安直な歌詞の内容だけど
現在まで歌われ続ける名曲の一つ。
カラオケにも入っている。
ちなみに序盤の歌詞は、作文や交渉の勉強になるくらい見事な三段論法だったりする。
要約すると、「職もなくて最悪な状態だから街から街へ行くけど、イライラする
→俺が生きていようが死んでいようが誰も気にしないんじゃないかなぁと思うし、
そういうことならこの際→breaking the law(法をやぶっちまえ)!!」
単純すぎる・・・。
ちなみにPVはギター持って銀行強盗。
この発想の単純さと、映像のチープさ、そして銀行にドラムセットまで持ち込んだ
JUDAS PRIEST扮する強盗犯の無理やりさがナイスです。
United
他にもだくさんの名曲が入ってるこのアルバムなので、
あんまり触れられませんけどこの曲はわりとよいアンセムだと思う。
ついさっきまで法を破れなんて言ってた輩が、
急に平和的な歌詞を歌うのはある意味矛盾だけど、
この人達にあるのはメッセージではなくて姿勢の問題だからOK。
歌詞に伝えたいことを書くのではなく、
自分たちがメタルという音楽の先駆者であり代名詞であることが優先されるべき事項だから、
メタルというのはこんなこともアリなんだよって例さえ示せればなんでもいいわけだ。
Living After Midnight
アメリカで売れたいと常々思っていた彼らだけに、
このアルバムはそういうアメリカ特有のすこし開放的なリズムのロックがチラホラある。
これなんかは歌って踊れる曲みたいな感じに仕上がっているから、
ヘビメタという言葉から想像するものからは随分離れている。
親しみやすさという点で、この曲なんかは
彼らが全世界的に売れるきっかけを作った曲と言えそう。
Metal Gods
アルバム「British Steel」でキーとなるのはこれでしょう。
時代はメタル勃興から移り変わって、メタルブーム!!
NWOBHM(New Wave of British Heavy Metal)時代なんです。
だから、アイアンメイデンとかそういう一つ下の世代の
若くて有望な新人メタルバンドがドンドン出てくるんだよね。
そういうライバルだらけの中で、
この男たちはこんなたいそうな題名のうたを作ってしまうわけですよ。
これがきっかけで鋼鉄神として多くのフォロワーから崇拝される存在になるんだけども、
じゃあこの歌はそこまでのメタルアンセムになりえるのかというと、
それはどうなのかな?といったところ。
実際、オレの最初の印象はというと、
「メタルゴッドってメタルの神様を主題にしたんじゃないの??メタルの神様って、
意外にもたついてて、そのうえ物静かで盛り上がりに欠けるヤツなのか?」
といった感じ。
それでも、聴くにつれてドンドン変な魅力にとり憑かれていきます。
まあでもこんなタイトルじゃなきゃ、
アルバムの中の一曲として終わったと思うのも事実ですね。
Hot Rockin'
これは別に好きじゃないです。
ただ能天気だし、書いてもいいかなぁくらいでレビューします。
個人的にはこの時期のアルバムはイマイチで、これも微妙だと思うんですね。
そのなかでこの歌だけは光ってます。
・・・光ってるっていっても汗がですけど。
メタルっていうとレザーに鋲とかが典型的なイメージだと思うけど、
それの創始者っていうのもJUDAS PRIESTなんですね。
まあロブ・ハルフォードは昔アダルトショップだったかなんかで働いてたらしいし、
そもそもゲイだから、そのへんのSMチックなファッションがビビビっときたんでしょうけど。
それで話をもどすと、この曲は裸でサウナに入ったり筋トレしたり、
まあ随所にホットを無理やり感じさせる場面がでてくるというだけのバカPVなんですけど、
ある意味、自分たちが見事に作り上げてきた
メタルのコスチュームイメージを自分たちでぶっ壊しましたね。
だから何?っていわれると、バカッぷり、
もしくは真面目にこのバカPVの企画に付きあって筋トレする若かりし鋼鉄神を見てね、くらい。
The Hellion 〜 Electric Eye
これは様式美系の極みといわれてる最高のメタルチューンです。
シーンに与えた影響、曲の完成度、構成、
どれをとってもなかなか出会えるものではないレベルの歌です。
この二つで一つの名曲は超絶スクリームこそ少ないですが、
メタルはおろか、今の一般的なロックにも大きな影響を与えたと考えて問題ないです。
なんてベタほめしましたが、俺としてはこれよりも良い曲なんて
JUDAS PRIESTの長い活動期間の中にはまだまだ沢山あるというのが本音。
ただ、誰が聴いてもカッコイイという感想にいたるだろう一般性と
メタルの攻撃性の融合は完璧なのかも。
それほど難しくない上に、カラオケに入ってるので、挑戦してみてください。
1〜10曲目 11〜20曲目 21〜29曲目 「JUDAS PRIEST」公式HP
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